南北に約1㎞にわたり長い砂浜が続く海岸、父母ヶ浜。遠浅の海で、干潮時には400mも海水が引き大きな干潟が現れます。その際にできる潮だまり(水たまり)が空を映し出し、まるで鏡のような幻想的な光景が目の前に広がります。夕日や砂紋の美しさも格別で、波打ち際を裸足で歩きながらその様子を体感するのもおすすめです。砂浜の向こうには燧灘(ひうちなだ)や島々が見え、穏やかな瀬戸内の自然を感じることができます。
自然が作り出す幻想的な鏡の世界
風がなく、海面が波立たない干潮時に砂浜にできる潮だまり(水たまり)。その潮だまりが鏡の役割を果たし、海面に空の景色を反転して映し出します。その美しい光景は、ボリビアにある「ウユニ塩湖」になぞらえて「日本のウユニ塩湖」と呼ばれるほか、「瀬戸内の天空の鏡」とも呼ばれています。
年に2回だけ目にできる絶景
ピンク、赤、紫と刻々と空の色を変えていく夕暮れ時はひときわ美しく、父母ヶ浜は「日本の夕日百選」に選ばれています。なかでも毎年2月と10月には、太陽が水平線を境にしてだるまの形を作り出す「だるま夕日」を見ることができます。年に2回だけ目にできる、特別な光景です。
サラサラの砂が描き出す自然のアート
砂浜には、花崗岩から生まれた白くて粒子の細かい砂が堆積しています。その砂が干潮時に波によって動くことで、浅瀬に美しい砂紋を描き出します。裸足で歩いてみると、ザクザクした箇所や乾いた箇所など感触の違いを確かめることができ、雄大な大地と一体化するような感覚も味わえます。
干潮時が撮影のベストタイミング
遠浅の海が特徴の父母ヶ浜。1日2回の干潮時には、海が引いて奥行き400mもの干潟が現れます。干潟では定期的に地元の人々による清掃活動が行われており、浜と自然の美しさが保たれています。白くきめ細やかな砂の合間には潮だまりが生まれ、その曲線を描いた美しい模様は圧巻です。この干潟が現れる干潮時が、フォトジェニックな一枚を撮影できるベストタイミングになっています。